呼吸する壁
2007/03/05(月)
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とても暖かい冬でした。今の時期は、暖房器具の温度調整が難しい季節でもあります。 温度調整といえば、皮膚はすごい機能を持っています。皮膚は、単に、外界から異物が入ってこないようにするのみならず、熱エネルギーを外界とやり取りする場所でもあります。外界の温熱環境によって、体温をコントロールする機能があります。 高温になれば、皮膚を走る血管に血液が多く運ばれるように調節し、対外へ熱を排出するようにし、寒くなれば、血管が縮み体外へ熱が奪われるのを抑えます。 住居では、皮膚に当たるのは、外壁や屋根の部分でしょうが、これも単純にシールドすればそれですむ問題ではありません。何層にもなる素材で、その機能を果たしているのですが、中でもエアパス工法の外壁と屋根は非常にユニークです。 皮膚を走る血管のような役目の通気層が、外部の通気層と内部の通気層と二重になって、熱の放出、吸収にかかわっているのです。皮膚と同じように、外界の暑さ寒さでコントロールするようになっており、人体により近い画期的なシステムではないかなと思いました。断熱材の素材や厚みだけでなく、通気層のしくみも重要なのかなあと思います。 「人体は小宇宙」ともいわれますが、住居をいろんな角度から考えてみるのもおもしろいかもしれません。 |
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