薪ストーブの魅力

2012/12/15(土) 日常
 完成住宅の拝見会では、薪ストーブをつけているのですが、単なる暖房設備という括りを超えた、魅力があります。

 不思議に思っていたのですが、ある薪ストーブのカタログに掲載されていた文章を読んで、少し合点をしました。以下はその内容です。

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―――遠い昔の記憶―――

 エジプトには、火はいっさいをむさぼり食い、それがなくなると自らも食べてしまう”動物”だと思っていたという話があります。人は一本の薪が燃えていくときの変化を見ながら、アニミズムや神話を経て、火を情熱や愛が燃えるイメージへと抽象化させ、それによって自らを奮い立たせ、心を癒す力を得てきました。
 
 約10万年前に発生した初期人類は、氷河期という過酷な環境に置かれていました。食物は火を通さない冷たいものばかり。生きるのが精一杯で、うれしいことなどほとんどなかったことでしょう。従って、ごくまれに経験する”うれしいこと”に対する感受性は現代人よりもずっと強かったものと思われます。最初に自分で火を熾し、温かい食べ物が食べられるようになったときの初期人類のよろこびは、遺伝子に焼き付くほど強烈だったかもしれません。

 そして、私たちが薪ストーブの火にあこがれるのは、遠い、遠い昔に火を誕生させたあの時の喜びの記憶を、無意識に取り戻したいと思っているからかもしれません。

 火の家、薪ストーブは、火から生まれて、火を宿し、火の恩恵を人に与えます。それはまるで家の中の太陽です。

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