景観まちづくり

2007/03/03(土) 未分類
景観まちづくりフォーラムに参加しました。

第1部は、全国都市再生モデル事業の報告。全国159件の事業の内、岩手のモデル3地域の事例紹介がありました。
第2部はシンポジウム。
パネラーとして、北海道・小樽市の再生のために民間人として町並み作りに取り組んでいる昆布店の店主・蓑谷氏。
滋賀県・近江八幡の事例に学ぶ都市再生事例紹介を脇田氏(龍谷大学教授)。
平泉の世界遺産登録を前に、一関市本寺地区の中世荘園風景の保存ということで、景観保全と圃場整理の調整役として筋道をつけた広田氏(岩手大学教授)、の3氏による発表がありました。

一言で、町並み・景観といいますが、通り一遍の考え方で述べることは難しい。その町のことをよく知らないコンサルタントがでてきて、全国同じような町並み造りを提案して、どこも「○○の小京都」などというものを作っていく時代ではありません。最近のラーメン店がどこも同じようなスタイルの店舗構成になっているのに似てしまいます。

町並み・景観は、1、2年で出来上がったものではなく、長い時間をかけて形成されてきたものであり、そこに住んでいる住民のライフスタイルや、価値観が反映された結果としての町並み・景観ですが、大きな都市計画の実施によって、町並み・景観はがらりと変わってしまっています。都市化していかなければならない部分もあるけれども、保存していきたい景観もあります。
過去・現在・未来の連続性をどう考えるか?

一関市本寺地区は数百年前から同じ景観を残しているんだそうで、重要文化財的景観にも指定された日本史的価値の高い景観なのだそうです。
いみじくも広田教授が、「政権や体制が変わっても、農村の景観はひきつづいている」と話してましたが、歴史の連続性と、歴史の断絶性は興味深いテーマです。

いずれにしても、地域アイデンティティがどのように構築されてきたか、これからどのように構築していくか、そしてその担い手は誰なのか、様々な問題や課題があるようです。

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