小さな家から

2009/06/27(土) 未分類
「ウサギ小屋」と言われた、かつての日本家屋から、敗戦復興の過程で、住宅事情は、大きく変化してきた。

住居に「広さ」を求め、広い家が豊かな家、という観点が出来上がった。

nLDKという間取りの呼称は、n(個室の数)で家の価値をイメージする。ところが、5LDKともなると、子供さんが何人いるのかわからないが、大人になって巣立っていくと、大きな納戸がたくさんできたようで、なんとも切ない場合もある。

家の規模を、nLDKという表示ではなく、とらえてみよう。

憩う場所があり、食べる場所があり、つくる場所があり、学ぶ場所があり、休む場所がある。住まいの中で、繰り広げられる、一つ一つのことが、楽しく豊かになるような仕掛けが必要だ。

それは、単に面積の問題ではない。風合いや空気感、ほかの空間とのつながりや外の空間とのつながり。

小さい家でも、つくり方を工夫することで、逆に広さを感じることができる。茶室のにじり口は、そのいい事例。

ミニマムハウスを考えることで、暮らしの究極を確認し、そこから、住まいのあり方を考えだす。

今、住まいのつくり手に求められていることは、多岐にわたっているが、本質的な問いかけが必要なのだと感じるこのごろである。

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