●ゆい工房誕生4

2008/02/27(水) 未分類
工務店に生まれながら、大工の仕事に誇りを持てず、父親のことを心の底から尊敬していなかった当時の私にとって、価値観転換の契機になったのは、宮大工の西岡棟梁との出会いが大きかったと思います。

西岡常一棟梁は今はもう故人ですが、日本の建築界ではとても大きな足跡を残した人物です。

代表的な著書は「木に学べ」。法隆寺の宮大工として民間建築の仕事は一切やらず、薬師寺の再建事業を陣頭指揮した功績は今でも語り継がれています。

続いて学んだのが松浦昭次棟梁の「宮大工千年の手と技」。以降、多くの宮大工の著書を読み、木の癖を見抜き木組みに生命をかける大工の仕事を次第に理解するようになりました。

何よりも、建築物は日本の伝統文化の根底をささえる基(もとい)です。建築文化が衰退すると日本の良き文化が音を立てて崩れ去ってしまう。日本人が誇るべき日本文化を保存していかなければ日本人の尊厳も道徳心の根源も無くしてしまうのではあるまいか・・・。などなどまじめに考え出したわけです。

やっぱり大工の親父はえらい!俺もまじめに工務店の仕事をやらなければいかん・・・。ということになったのです。

つづく。

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