色彩楽のすすめ

2012/05/25(金) 本・映画のご紹介

建築のみならず、創作活動に携わっている人が、
トコトン頭を悩ますのが「色彩」。

そんな人のために解決のヒントを与えてくれるのがこの本。

●題名:「色彩楽のすすめ」
●著者: 尾登誠一
●出版社:岩波アクティブ文庫


埼玉サッカースタジアムのカラープランニングの話が興味深い。

観客席がほぼ単色の「濃青」で、一見するとシンプルすぎるのでは?

と思ってしまうのだが、天然芝の緑とピッチでプレーする選手が
一番映えるよう、考え抜かれた配色なのだという。

東西南北のゾーンごとに色分けをして・・・という機能性重視とは
違う、明確なコンセプトが大切だと、納得させられた。


著者は東京芸大の教授であるが、建築的な造形デザインを補うために、
あとはカラーコーディネートで何とかしてほしい、
という(安易?)な依頼が結構あるという。
(引受けても、あんまりうまくいかないケースが多いらしいが・・・)

どこでも、悩みはおなじらしい・・・と考え込んでしまった。