「素材」「間取り」「工法」
家づくりでは、どんなことに気をつければいいの? といった、質問がよせられます。
いろいろな経験をふまえて考えると、
「素材」「間取り」「工法」ということになるのでは、と思います。いずれも、大きなテーマです。
ここでは、少しだけそれぞれの項目について、考えてみます。
「素材」について
日々の暮らしの中では、肌ざわり感や空気感といった、皮膚感覚が重要で、建築に使われる「素材」は、毎日接するものなので、欠かせない要素です。
感覚には個人差がありますが、自然な素材の方が、なじみがよくストレスを感じない。
近代工業化の中で、大量生産されてきた素材の中には、それに接する人間の感覚などは考慮されなかったものもあります。
シックハウスなどは、かつては、思いもしなかったものでした。決して新しい素材だから悪いと言うのではありません。
使う接する人との親和性を考える必要があるのではないか、ということです。
「間取り」について
暮らしの中の人々の動きを考えると、どのような生活動線が多く使われているかが、とても気になります。
くつろぐ場所、食事を作る場所、食事を食べる場所、水廻りなどの作業する場所、おやすみする場所、お客様を迎える場所、などなど、家には様々な機能が求められます。
家づくりを考えるとき、一般の方は一番最初に「間取り」を家族で考えるのではないでしょうか。
かつては、「田の字プラン」と言われる、畳の間がいくつも連なり、それを廊下で繋ぐような間取りが多くありました。
茅葺き屋根の家の時代にも、座敷・常居・土間というように機能に応じた場所を設けられ、暮らしがつながれていました。
暮らし方が変わり、家族構成も変わり、いろんなイノベーションが起こり、家のあり方も時代とともに、変化が求められているのかも知れません。
しかし、そんな中でも、日本人の暮らしで続いているのが、家の中では下足を脱いで暮らす、というところ。下足のまま室内を歩き回るのは、ホテルに宿泊するときくらいのもので、家の中では、裸足かスリッパ履きでしょう。
湿潤な気候の日本だからこその暮らし方があると思います。玄関の上がり框や下足収納なども、時代とともに求められる形式や広さが変わってきています。
「工法」について
長い年数を経て、建物はそれなりのメンテナンスや変化が必要になります。
そんな時に、どのような「工法」でつくられた建物かが問題になります。
構造躯体や断熱工法も様々あります。
家の改修をご依頼されるケースがとても増えてきました。
耐震診断から改修、断熱改修、バリアフリー改修など、多岐にわたりますが、
構造躯体については、しっかりとつくられた木造軸組構法の建物は、改修の対応がしやすいと感じています。
先々のことも少し見通した家づくりを考えることも必要かと感じるこの頃です。