奪われし未来 環境ホルモン問題とは
「奪われし未来」シーア・コルボーン著(翔泳社)は翻訳初版が2001年。「環境問題」を語る上では避けて通れない古典的著作である。
20世紀後半から次々発生したいわゆる「環境問題」は、「ダイオキシン」「生物多様性の減少」「資源・エネルギー枯渇」「フロンガスによるオゾン層破壊」「温暖化ガスによる地球温暖化」等が次々に提起されてきた。
そして、重要な「環境問題カテゴリー」として認知されているのが、「内分泌攪乱物質問題(いわゆる「環境ホルモン」)」なのである。
「環境ホルモン」問題とは生物の精子の極端な減少等、生殖能力の低下や生物の無性化(中性化)現象に他ならない。
現在まで人間が人為的に作り出した化学物質は1000万種類以上。その中でも身近な生活にかかわりが深い化学物質だけでも7万5000種類に及ぶという。
高分子化学物質は、おもに、化粧品、建材、塗料、食品用容器、包装、などに用いられこれらは、皮膚、室内空気、食品、血液等を通じ体内に摂取される。
その中でも、代表的な化学物質としてあげられているのが、「塩化ビニールの可塑剤」である。住宅建築では、ビニールクロスに使用されている。
この化学物質のやっかいな処は、生成させた化学物質が人体に如何なる影響を及ぼすのか、生成者はもちろん、使用者も把握できず、公的な規制基準を作成することが不可能に近いぐらい困難なことだ。
ゆい工房では家の作り手責任として最低次の3点はお客様に説明している。
1)室内で仕上げ材に「塩化ビニール壁紙」を使用しない。
2)人体に有害と思われる「揮発性塗料」を室内で使用しない。
3)人体に有害と思われる「接着剤」や塩ビシートを接着した建材を使用しない。
最終的に、自分の健康は自分で守るしかないのである。