雨ニモマケズ

2011/05/12(木) 日常
 東日本大震災の被災者を励ますメッセージサイト「kizuna311」を立ち上げた、俳優・渡辺謙は、宮沢賢治の詩「雨ニモマケズ」を朗読している。ゆったりと語りかけるその口調、そして誰もが聞いたことのあるであろうこの詩の内容が、この時だからこそこころに刻まれる。

宮澤賢治は1896年8月27日生まれ。詩人/童話作家でありながら農業指導者として、地域を深く愛した人である。作品に登場する理想郷に「岩手(いはて)」をエスペラント風にしたイーハトヴと名づけたほど。1926年、周辺の青年たちと、羅須地人協会を設立、賢治は昼間は周囲の田畑で農作業にいそしみ、夜には農民たちを集め、科学やエスペラント、農業技術などを教えた。自らの生涯を、詩「雨ニモマケズ」のごとく生きた短い生涯だった(没年1933年)。独特の魅力にあふれた作品群によって、没後、急速に国民的作家とされていった。