資金計画
はじめに
この家が私にぴったりー。絶対こんな家が建てたいー。気持ちが高ぶった時果たして私にこの家が建てられるのかしら、と現実に立ち戻って不安になる。また、うかつにプランだけすすめて、最後に予算が合わなかったりしたら、気まずいし、住宅会社にも迷惑をかけるし…。こんな気持ちが錯綜して、なかなかあと一歩が踏み出せない、なんて経験はありませんか。私もそうでした。「資金計画」は、「プランニング」と並んで、家づくりプロジェクトの中でも最も大切な事柄の一つです。そこで、その大切な「資金計画」でつまずかないためにも、「資金計画」をすすめる上でのポイントを順を追って解説させていただきたいと思います。是非、あなたの理想の家づくりのための参考にしてください。
STEP1 「概算資金計画」をお願いしてみる。
この会社(工務店)と話をすすめてもいいかも、と思ったら、まず最初に「概算資金計画」をお願いしてみましょう。
Point:1 「概算資金計画」作成の目的を明確にする。
目的はズバリ、その会社との「ラフプラン作成」等の商談に入る前段階で、予算面から家づくりの全体像を大ざっぱに把握してみる事です。
Point:2 「家づくり」に必要なトータル資金を把握する。
たんに、建物の建築費だけでは、家は建ちません。その他の「付帯費用」や「諸経費」、「引っ越し費用」や、「税金」といった全ての費用を把握することが大切です。
Point:3 月々の返済計画を明確にする。
トータル資金の把握ができたら、そこから「自己資金」を差し引き、「借入金額」の概算を割り出します。さらに、借入金額から「返済期間」と、「月々の返済額」を計算してみます。
Point:4 「標準仕様書」を明確にする
概算資金計画の段階では、坪単価で本体価格を大まかに計算することが多いと思います。そこで、明確にしておきたいのが、坪単価の根拠となる「標準仕様」です。その価格の家がどの程度のグレードなのかを把握しておかないと、あとからそれはオプションですからといった行き違いが発生しても困ります。
STEP2 「ラフプラン」+「概算資金計画」を依頼する
STEP1での「資金計画」より具体的なものにするために、大ざっぱな「ラフプラン」を提案してもらい、そのプランを基にした「概算資金計画」を作成してもらいます。
ラフプラン |
ラフプラン |
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概算資金計画サンプル |
Point:1 「カーテン」「照明」「外溝造園工事」はしっかり予算をとる。
ローコスト系の会社で、「カーテン・照明」が本体坪単価に含まれていると説明する会社があります。けれどそれは、最低グレードの標準品でしかありません。最後のインテリア関係は、実は家の心地よさを決定するとても大切な部分です。末永く愛着のある家づくりのためにも最初からしっかり予算化することをおすすめいたします。
Point:2 生前贈与等「の自己資金」も検討してみる。
現在、税法が緩和され、「生前贈与」等の活用により、住宅取得がたいへん容易になりました。このような住宅取得にとっての「追い風」を最大限活用しながら、賢くクオリティーの高い住宅を建ててください。
※詳しい税法の内容はお問い合わせ下さい。
Point:3 自分に最適な金融商品を検討してみる。
現在、金融公庫のフラット35をはじめ、地元金融機関も様々の商品開発を独自に開発しています。メリット、デメリットをよく見極め、自分に最適の金融商品を探してみましょう。
※当社でもアドバイスさせていただきます。
STEP3 「詳細設計」+「詳細見積」を依頼する。
STEP2での「坪単価」による「概算見積」から、「詳細設計」「詳細見積」による、確定「資金計画」を実施します。
詳細設計 |
詳細見積もり |
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家づくり計画書 |
Point:1 「坪単価」は誤差がある。最後は必ず「詳細見積」を実施
「坪単価」といっても各社それぞれ、その根拠がまったく違います。一概に「坪単価」で価格の高い安いを判断する事は危険です。最終的には「詳細見積」による総金額の把握が大切です。
Point:2 入居予定時期から「契約」「着工」時期を逆算してみる。
家づくりは、計画段階から、設計、契約、施工と考えているより、時間がかかるものです。入居予定がある場合には、早め早めに全体のタイムテーブルを検討しておくことが必要になります。
おわりに
家づくりを自分一人で計画し実施できる人はほとんどいないといってもいいでしょう。そこで、家づくりの技術的なことは「建築士」に、資金計画は熟練した「営業担当者」に相談することが、失敗しない家づくりのための第一歩ではないでしょうか。自分の夢を現実にしてくれる「建築士」、全体の家づくりプロジェクトをナビゲートしてくれる「営業担当者」をあせらずに見つけ出すことが大切なことかも知れません。