パッシブクーリング

2012/07/10(火) 日常
 日差しの強い日が続いています。ゴーヤやアサガオのグリーンカーテンを見るようになりました。夏場に、エアコンに頼りすぎないエコ活を実践されている方も増えてきたようです。

 パッシブクーリングといわれる、機械に頼らないで自然に涼を得る方法には、主に次にあげる3つの方法があります。

 一つ目は、グリーンカーテンのように、日射を遮蔽する方法。カーテンや外付けブラインド、庇などいろいろな遮蔽方法があります。遮蔽効果が大きいのは室内側よりは屋外側。日本の家屋では窓上に庇を設け、その下にすだれを下げたりする方法がありました。昔から日常的に使われてきた素晴らしい知恵で、とても理にかなっています。また、植栽により木陰をつくるのも一つの方法です。夏の木陰の心地よさはどなたも感じるところでしょう。風を通しつつ夏の日差しを和らげる植栽の計画も省エネルギーにつながります。

 二つ目には、通風による排熱。日本の夏の特徴は「高温多湿」と言われますが、風通しのいい部屋で涼を得るのは、日本の住まいでは最良の夏対策と言えるでしょう。風のないときは扇子やウチワで自ら風を起こし周りの高湿度の空気を取り除く所作も、日本人が自然に身に着けてきた知恵と言えるでしょう。秒速1mの風は体感温度を約1度下げてくれるといいます。窓の配置では風の入口と出口を設け、途中の通り道も考えましょう。ドアで遮られている場合、欄間を設ける必要もあるでしょう。

 涼感は肌で感じるだけではありません。風を受けて鳴る風鈴の音や、水槽の中を泳ぐ金魚を見たりしながら涼を感じます。目や耳などからも夏の心地よさを感じる感性が育まれてきたのでしょう。

 人間の体には、体温調節機能が自然に備わっていますが、エアコンの普及が始まった1970年以降に生まれた世代には「能動汗腺衰退症」という「汗をかかない」からだになってしまったケースが増えているそうです。本来備わっているコントロール機能が混乱しているのかもしれません。機械に依存する暮らしの文化を見直す必要もありそうです。

 三つ目には、自然の冷熱源の利用。地中熱の利用ということでは、土間の涼しさを取り入れたり、打ち水による、水の蒸発冷却などを利用する方法があります。