住宅リノベーション

2013/02/01(金) 日常
日本の住宅は短命だといわれます。アメリカでは約44年。イギリスでは約75年といわれます。それに比べ日本は約26年という統計があります。
なぜ、このようなことになってしまったのでしょうか。様々な理由はあるでしょう。

第一に考えられるのは、現存している住宅が高度成長期に安価な建材を使って建てられたため、品質が低かったことがあげられます。
住宅そのものが足りなくて、質よりもとにかく量を確保しなければならない時期が戦後の日本にはありました。
その間に建てられた住宅は、供給を目的としていたために高品質とはいえない場合もあったでしょう。
古民家という形で現存されている建物は、本物素材でつくられ、住む人々に愛された建物。これは、かなりの歳月が経過しても、味わいがまし保存されています。

(写真は築80年のお住まいをリノベーションした事例。黒く光る骨太な構造材を見せながら、アカマツの床板に珪藻土の塗り壁で仕上げました)

ふたつめは、中古住宅の流通が活発でないこと。日本では、通常築15年経つと、固定資産税の建物にたいする評価はほとんどゼロになってしまいます。
家族構成やライフタイルの変化とともに、今の住まいを売って住み替えようにも、中古住宅は売却が難しいもの。このような背景もあり、古い物件になればなるほど、売買するより、いっそ、取り壊して建て替えようということになるのでしょう。

3つめは、リフォームがしにくい建物ということ。ご家族の変化などにも対応できるような計画が、当初からされていればいいのですが、住宅の構造や仕組みがそれに対応できなければ、壊して建て替えることに踏み切る場合も多いです。住宅は耐久性があるだけでなく、将来の間取り変更が可能な構造であり、さらにリフォームしやすいように水まわり配管などにも工夫があることが大切です。

逆にいえば、こういった条件をクリアしている住宅なら、家族の変化に合わせて、リノベーションをすることで、快適に暮らしていける住宅になるといえるでしょう。

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