後藤新平 日本の羅針盤になった男

2016/06/05(日) 本・映画のご紹介

多くの首相や政治家を排出している郷土岩手であるが、その中でも最も人気があり、後世に評価される人物は「後藤新平」というのが私の見立てである。(もちろん新渡戸稲造も評価が高いが・・・)

後藤新平は、水沢出身でその後首相に登り詰めた斉藤実とは同郷の幼なじみであるという。

斉藤実が海軍出身で朝鮮総督や内閣総理大臣を務め、老練な政治家というイメージがあるのと対照的に、スタートが医師から始まっている後藤新平の業績は実に分かりやすい。


「検疫事業」「鉄道」「産業振興」「都市再開発」といった設計図と科学的な構想力が必要な事業でこそ後藤新平はその真価を発揮する。

後に晩年にはボーイスカウトの創始者になった事から分かるように清廉で未来を見続けた生涯は、今のような混迷する世相の中でこそ一筋の光が見えてくるのだろう。じっくりその生涯に学びたい一冊である。