●「シックハウスを考える」シンポ

2008/03/07(金) 未分類
東京ビックサイトで開催された「シックハウスを考える」シンポジウムに参加した。

従来の化学物質による「シックハウス」は「狭義のシックハウス」なのだそうで、室内のヒートショックからお年寄りを守るというのも主要なテーマなのだそうだ。

化学物質や過敏症に対する対処法等を期待してきた参加者にとっては少々肩すかしを食わされた格好だ。なんと約6割がた「高気密高断熱」で家をつくりましょうというテーマだったからだ。

(*別に私は「高気密高断熱」反対論者ではない。科学的にも温熱環境の分野に限定するれば理論的に正しい。非の打ち所がない。ただ、「高気密高断熱」至上主義は家全体の価値を必ずしも向上させず、かえってゆがんだ家づくりになる危険性があるのではないかと考えているだけだ。)

たしかに室内温度を5度上げれば室内のヒートショックで亡くなるお年寄りの数がこれだけ減る・・・という統計データを出されれば、納得するところもある。

シンポの最後に九州の建設会社の社長から出席していた国土交通省の企画専門官に対して質問があった。

計画換気がシックハウス対策のために義務化になったのだが、お客様に計画換気をなぜつけるのか説明できない。(九州地方では一日中家を開放しているので)省エネにもならないし、そうゆう施策は寒帯から亜熱帯まである日本全体で一律実施するというのは間違いではないか?

という主旨の厳しいご意見であった。

国土交通省の企画専門官は「高気密高断熱が悪いなんて安易にコメントしてもらっては困ります。」とだけコメントした。

なんとも場がしらけてしまったのだが、「やっぱり現場は同じ事考えてるんだよなー」という共感だけがシンポの収穫であった。


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