●高気密高断熱住宅への疑問2

2008/01/26(土) 未分類
前回、理論的に高気密高断熱の性能を追求していくと、窓のないシェルター型の家が最も性能のいい家になること。

さらに、ビルディングのような「計画換気」「エアコン」といった人工的な空気制御型の家を指向してしまう傾向があることを述べた。

今回は「高気密高断熱の家」が「省エネ」住宅であるという主張が妥当性があるのかを考えてみたい。

たしかに、冬場の消費エネルギーだけを比較したら、熱損失が少ない家が省エネルギーになるという理論は正しい。

ところが、夏場はどうだろう。「高気密高断熱」の性能を追求すれば、経験からいって、窓は極力小さい方が性能値は高くなる。引き違い窓も極端に嫌われる。その結果通風はどうしても悪くなってしまうのだ。

夏場は窓を閉め切って、クーラーを使用しなければならないとしたら、風通しのいい家で、クーラーを使わなくていい家にくらべ、「省エネ」の家になるだろうか?

いまでこそ、シックハウス対策で24時間換気が国の法律で設置義務付けになってしまったが、そもそも24時間モーターを回さなければならない住環境が「省エネ」なのだろうか?

私は、高気密高断熱住宅が必ずしも「省エネ」住宅ではないと考えている。


つづく

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