●「いい家が欲しい。」の本

2008/01/12(土) 未分類
『いい家がほしい』という本。新聞全国紙の一面下段広告に定期的に書籍広告が掲載されているので、買って読んだ人もいるかもしれない。

実は、私も今から10年ほど前、住宅業界に飛び込んで数年たったころ、ソーラーサーキット工法の会に2年間ほど所属し、外断熱を学んだことがある。

ソーラーサーキット工法の貢献は2つ
一つは、外断熱工法の普及に貢献したこと(是非はともかくとして)
二つ目は、衣替えのできる家の工夫(とりわけ夏対策に特徴がある)

著者の松井氏は当時からソーラーサーキット(SC)の会では中心的な存在で、東京の構造現場や完成現場を見学させていただいたことを覚えている。

私も、懐かしさで、書籍を読ませていただいたが、SC工法が最高で、他のものはダメという、白黒二元論的な論法は少々大人げないかなと感じた。

SC工法の優位性はある意味認めている私でも、他工法への辛辣な批判には辟易としてしまった。

そもそも完璧な工法などあり得ないのではあるまいか。

工法の長所、短所を「間取り」「素材」「技術力」等の他のエレメントで補完していくのが、本当の意味での「いい家」になっていくのだと思う。

この本のなかでは、気密住宅をつくり、室内を化学建材でつくる恐ろしさには言及さえしていない。

カネカという化学建材メーカーから出発している住宅工法の、そこが限界なのかもしれない。

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