日本海海戦の真実

2007/07/28(土) 未分類
講談社現代新書からでている「日本海海戦の真実」は建築書を買いにジュンク堂書店で、ついで買いした本。

著者は防衛庁戦史研究室長、防衛大学校教授を歴任した野村 實氏。

一般的に戦史ものは、裏付けとなる文献資料が少なく、著者の推理の域をでていないものが多い中で、防衛庁秘蔵の一級資料に直接触れる事ができた著者の論理展開には説得力がある。

この本のテーマでもある、「T字戦法の発案者は誰か」という問題、東郷でも参謀の秋山でもなく、実は後の海軍大将、山屋他人だというのである。

山屋は南部藩士の子として盛岡で生まれ、母が41歳と高齢の時の子であったため、当時の風習としては捨て子か養子に出されるところを、両親が「他人」のつもりで育てようということでの命名なのだという。

さらさらと、2時間ぐらいで、バルチック艦隊との決戦の前後の事情がよく飲み込める一冊。時間の余裕のある人はどうぞ。