手仕事の日本

2007/07/09(月) 未分類
柳 宗悦による『手仕事の日本』は古典的名著である。

岩波文庫から出されており、学生時代は、油紙でくる
まれていたが、最近のものは、ちゃんと表紙までついている。

柳 宗悦が指導した民芸運動は、現在に至るまで、脈々と
息づいている。盛岡の光源社にその機関誌がおいてあった。

明治期から大正時代にあって、西洋文化をどん欲に取り込んだ日本にあってて、実は本質的な芸術は、一般民衆が守り育ててきた手工芸品にこそあると著者は説く。

利益優先の大量生産品が手工芸品を駆逐していくありさまを
目の当たりにして、日本独自の内面的な美しさが失われない
ことを柳は祈るような気持ちであったに違いない。