●「ハイ!喜んで」という思想

2008/10/21(火) 未分類
シベリアに連行され強制収容所で強制労働させられていた日本人の話です。

120人いた部隊が一冬で84人しか生き残れないという過酷な状況の中、その部隊長は隊員の命を守るために、監視兵がいなくなると、みんなで作業の手を抜き体力の消耗を防ぐよう指示をしていました。

ところが、ある時、違う日本人の部隊と出会いました。なんとその部隊は監視兵が見ていようが見ていまいが関係なく、流れる汗を拭う時間も惜しんで懸命にツルハシを持って仕事をしていました。

部隊長はこの部隊の隊長に、手を抜きながら仕事をするよう説得しました。

ところがこの一生懸命仕事をする隊長が言ったのです。
「私たちは自分が奴隷だとは考えていません。いやいや作業はしていません。心まで捕虜になったらほんとうの負けでしょう。日本は戦争に負けましたが再建という使命が残っています。そのためには不動の信念と頑強な体力が必要です。この仕事こそが我々に天が与えた訓練なのです。」

手を抜いて仕事をすよう指示していた隊長は、大粒の涙を流し悔い改めたそうです。自分の心は奴隷そのものだったと・・・。

そのことが契機となり、積極的にどんな仕事でも「ハイ!喜んで」の精神で取り組むようになったのだそうです。

もちろんその部隊は、その後、一人の脱落者も出すことなく、日本に帰国したのです。